今回のテーマは…。
「昔の善く戦う者は先ず勝つべからざるを為して、以て敵の勝つべきを待つ。勝べからあるは己に在るも、勝つべきは敵にあり。」
この孫氏の兵法の中にある一説です。
解釈は一言で言えば「勝つための準備が大切だ」という事です。
孫氏の兵法とは?
孫氏の兵法とは2500年前に孫武という人物が書いた兵法書です。
この兵法書は日本の武将も使っていたものです。
例えば武田信玄の旗印「風林火山」は孫氏の兵法の一説です。
それは状況に応じて対応するというようなものですが、今を生きる私たちに与える影響とその教えは考えさせられたり、気付きをあたえてくれるものです。
「昔の善く戦う者~」の意味するところ
この意味は「負けないための準備が必要だ」ということです。
戦って、いい気になっている、有頂天になっていないか?
自分の足元をよく見渡そう、手抜かりがないか?
敵に隙を見せていないか?
そういう準備や構えが必要だと孫氏の兵法では言われています。
孫氏の兵法とありますが、孫氏は戦わずに勝利を収める、なるべく簡単に勝利することを説いています。
今回のテーマの場合は私たちが、調子がよく進んでいる時に、足元をすくわれがちな状態への注意です。
これを読んでいるみなさんも経験がありませんか?
今回は、子供(学生)バージョンと社会人バージョンで考えていたいと思います。
子供(学生)バージョン
例えば、来週に定期テストがあるとします。
ここで考えるのは、
・テスト範囲を知らされていて、どの部分が出題されるのか?
・大きな意味での山掛けをしてしまう
・ライバルだと思っている友達の勉強時間や、順位などテスト以外のことで気を取られてしまう
って感じではないですか?
もちろんライバルがいてその友達に対して対事抗心を燃やすのは、とても重要なことだと思います。
しかし、ここで本来重要な事は定期テストで点数を取り成績を積み上げていくという事です。
本来定期テストで何が出題されても全体的に点数が取れていたら問題はありません。
そして、テストで体調不良にならないという事も必要なことです。
これから高校受験や大学の試験が始まる時に、普段の体調管理を怠り、体調不良になり試験すら受けることができなければ、何のためにその試験に向けて勉強してきたのかわからなくなります。
実はこの基本的な事の重要性を孫氏は説いているのかもしれません。
社会人バージョン
2500年前に書かれた孫氏の兵法ですが、人間は2500年過ぎてもそれほど本質に変化や進化は見られません。
社会人になれば、見るニュースも変わり、倒産の記事などを目にすることも多いと思います。
そんな時に、攻めてばっかりいた会社が気が付けば守りが手薄になり、倒産したり、買収されたりという記事はよく目にしていると思います。
IT企業などは守りが手薄だという理由だけではないでしょうが、数年前どころが去年好景気だった企業がどこかに買収されていたり、社長などの幹部が怪しげな話に乗って、起訴されていたり…そんな話は枚挙にいとまがなく、またかという気分にさせられます。
会社の経営者だけではなく、ビジネスマンの皆さんにも同じことがいえます。
ビジネスに孫氏の兵法を当てはめて考えてみると?
今回のテーマで孫氏は勝利できると思っていても、その通りにはならないと言っています。
それは過去の戦の歴史を見ればよくわかります。
分かりやすいのは、今川と織田の桶狭間の戦いです。
今川の軍事力をもってすれば、織田軍は決して勝てるはずはありませんでした。
しかしその慢心が陣の本丸である今川義元の陣地で討ち取られる状態になってしまいました。
これはまさに守りを怠った結果です。
勝利は確実視されていましたが、勝利が確実ではない証明ですね。
一説には織田勢は今川勢の配置などを熟知していたとも言われています
敵に隙を見せる結果と相手の隙を見つける結果
今川勢は織田勢にすきを見せて配置を読まれて、大将である今川義元の首を取られてしまいました。
そして織田勢は今川勢の隙を見つけて勝利を得ました。
これを現代のビジネス社会にそっくり当てはめることはできないかもしれません。
しかし、例えば
プレゼン前に相手の動向をさぐる
入札に関しての調査やリサーチに全力を注ぐ
などあてはまることはたくさんあります。
相手の動向に隙を見つける事はできなくても、今自分ができることはなにかということを真剣に取り組むことも大事です。
まとめ
孫氏が今を生きる私たちに伝えたい事とは
・今できる最善の行いをする
・敵に隙を見せない
・負けないための準備を整える
・敵の事だけではなく自分がどうするべきなのか考える
ということなんだと私は思っています。
この記事がみなさんのお役に立てたなら幸いです。