「おいしくて、ついつい食べすぎてしまった……」
「家族に勧められて断れず、お腹がパンパンで苦しい……」
お正月やお祝いの席で、お餅を食べた後にやってくる「ズーン」とした胃の重み。
お餅は腹持ちがいい反面、一度胃もたれをすると他の食べ物よりも長引きやすく、本当に辛いですよね。
でも食べているときはおいしいからついつい食べ過ぎてしまうんですよね。
前回の記事でお伝えした「餅イレウス（腸閉塞）」のリスクや「大根おろし」の予防法を知っていても、食べてしまった後には手遅れ……。
そんな今のあなたを救う、即実践できる「レスキュー食」と、胃を休めるための裏技をご紹介します。
1. なぜお餅の胃もたれは「最強に」苦しいのか？
そもそも、なぜお餅はこれほどまでに胃に居座るのでしょうか。
理由は、お餅の性質にあります。
お餅は体温付近まで冷えると一気に硬くなり、消化酵素が入り込みにくい「塊」の状態になります。
この塊を分解するために、胃は普段以上のエネルギーを使い、ヘトヘトに疲れて動きが鈍くなってしまうのです。
「胃が弱いから……」と自分を責めないでください。
お餅という食べ物自体が、胃にとって非常にハードな相手なのです。
だからこそ、今は「頑張った胃」を優しく助けてあげる必要があります。
2. 【レベル別】弱った胃を立て直す「レスキュー食」5選
今のあなたの「胃もたれ具合」に合わせて、無理のないものを選んでください。
① 【激重レベル】白湯（さゆ）＋梅干し
「何かを食べるなんて考えられない」という時はこれ。温かい白湯で胃を温め、梅干しの有機酸で消化液の分泌を促します。
② 【ズーンと重い】すりおろしリンゴ
リンゴに含まれる「ペクチン」が胃の粘膜を優しく保護してくれます。すりおろすことで、疲れた胃の代わりに「咀嚼（そしゃく）」を終わらせた状態で届けられます。
③ 【少し食べられそう】大根おろしのスープ
生の大根おろしは刺激が強いことがありますが、スープにすれば安心。前回の記事で紹介した「アミラーゼ」の力を借りつつ、体を芯から温めます。
④ 【お腹は空くけど重い】卵がゆ
噛む必要がないくらいトロトロに炊いたお粥に、溶き卵を。タンパク質は胃の粘膜を修復する材料になります。
⑤ 【コンビニで買うなら】豆腐の味噌汁
具材は豆腐だけのシンプルなものを選んでください。温かい味噌汁の塩分と大豆タンパクが、弱った体に染み渡ります。
3. 食事以外にすぐできる！胃を楽にする3つの裏技
「食べる」こと以外でも、物理的に消化を助ける方法があります。
「右側を下」にして横になる
胃の出口は体の右側にあります。食後、どうしても横になりたい時は**「体の右側を下」**にして寝ると、重力の力で食べ物が十二指腸へと流れやすくなります。
おへその上を温める
内臓が冷えると消化活動はストップします。カイロを貼ったり、温かい蒸しタオルをおへその上に置いたりして、外側から物理的に胃を温めてあげましょう。
食後3時間は「固形物」を入れない
最高のレスキューは「胃を休める時間」を作ることです。おやつや次の食事をグッと堪え、胃が空っぽになるのを待ってあげてください。
4. 要注意！胃もたれ中の「良かれと思って」のNG行動
逆効果になってしまう、意外なNG行動もチェックしておきましょう。
冷たいヨーグルトを食べる
胃腸を冷やしてしまい、動きがさらに悪くなります。
「食べなきゃ治らない」と無理に食べる
食欲がないのは、胃からの「今は入れないで！」というSOS。その声に従うのが一番の近道です。
熱すぎるお風呂に入る
食後すぐの入浴は、血液が皮膚表面に行ってしまい、胃腸の活動を妨げます。ぬるめのお湯にするか、少し時間を空けましょう。
5. まとめ：無理せず「引き算」の食事でリカバリーを
お正月やお祝いの時期は、どうしても「ご馳走（足し算）」ばかりになりがちです。
もし胃もたれしてしまったら、それは体が「少し休ませて」と言っているサイン。
今回ご紹介したレスキュー食で「引き算」の食事を心がければ、明日の体はもっと軽くなっているはずです。
もし「次回はお餅を詰まらせたくない！」「正しい切り方を知りたい」という方は、ぜひこちらの記事も読み返してみてくださいね。
「餅の消化が危険な理由」はこちら
「餅に大根おろしが合う理由」はこちら
胃腸を労わりながら、残りの休日を笑顔で過ごしましょう！
