「あのときのイヤな出来事がどうしても頭から離れない…」
そんな日常の小さなつらさ、ありませんか?
「忘れたい」と思っているだけでは、意外と消えないのが嫌な記憶の厄介なところです。
誰にでもおこるし、だれもが抱えている嫌な記憶ってありますよね。
でも安心してください。
脳の仕組みを知り、ちょっとした“やり方(ワーク)”を取り入れれば、記憶の印象を和らげたり“上書き”したりすることは十分に可能です。
ここでは今日から使える実践テクニックを丁寧に紹介します。


1|なぜ嫌な記憶が消えないの?まずは仕組みから
ネガティブな記憶は・・・
人の脳は「ネガティブな出来事」を強く覚える仕組みを持っています。
これは進化の名残で、昔は危険を覚えて生き延びるために必要だったからです。
今みたいに安全が前提の世の中ではなく、うっかりしていると食べられてしまったり、殺されるかもしれません。
そんな嫌な記憶は経験として積み上げていく必要があって、それがあったから人類は生き延びてこれたんです。
だから「恥ずかしかった」「傷ついた」といった出来事は、扁桃体(感情の中枢)が強く反応して記憶にしっかり刻まれやすいのです。

嫌な記憶を思い出すと強くなる不思議
もう一つ大事なのが「思い出すと強くなる」という性質。
嫌なことを考えたり振り返ったりすると、脳はその回路を何度もたどって強めてしまいます。
だから「忘れよう」と我慢するだけでは逆に思い出す回数が増えてしまい、余計に残りやすくなることもあります。
だって忘れようとするたびに嫌なことを思い出してしまうのですから。
むしろ自分から忘れられない出来事を更新しているようなものです。
ポイント:嫌な記憶が残るのは“あなたのせい”ではなく、脳の自然なしくみだと知ることが第一歩です。

2|記憶は“上書き”できる?チャンスは「嫌なことを思い出したとき」
最新の脳科学では、記憶は固定されたものではなく、思い出した瞬間に一時的に「編集可能」な状態になることがわかっています。
思い出したときが、まさに“書き換えチャンス”。このタイミングに新しい情報や解釈を意図的に入れてあげることで、記憶の印象を変えることができます。
つまり「思い出してしまう」――これは逆に言えば「思い出すたびに書き換えるチャンスがある」ということです。
これを活かしたのが、実践ワークです。
下のほうで詳しく書いているので実践してみて下さい。
3|嫌な記憶をやわらげる実践ワーク5選
ひとつずつ詳しく、具体的にやり方を書きます。無理なく続けられる順に並べました。
① 映画化ワーク:頭の中の映像を“外側”から眺める
やり方(5〜10分)
静かな場所で目を閉じ、嫌な出来事を思い出します。
その場面を「映画のワンシーン」として頭の中に映します。カメラは少し離れた位置に置き、あなた(当時の自分)を外から眺めるイメージにします。
音や光、服装、小物まで詳細に思い描きながら、感情を身体で感じすぎないように“観察者”として見守ります。
効果:感情の距離がとれて、強い反応が和らぎます。思い出しながら編集できる入り口にもなります。
② 書き出し+別の結末ワーク(ノート)
やり方(10〜20分)
嫌な出来事を時系列で紙に書き出す(誰が、いつ、何をしたか)。
書き出したら、「もし違う結末だったら?」と想像して書き足す(例:「その場で怒らずにこう返していたら、相手は驚いて…」)。
最後に「この出来事から学べたこと」を3つ書く。
効果:紙に出すことで脳の負担が下がり、別の結末を付けることで再固定化の際に“新しい情報”にアップデートされます。
③ 期待とズレを使うリフレーミング
やり方(5分〜)
そのとき自分は「こうあってほしい」と期待していたことを書き出す。
実際はどうだったかを並べ、期待と現実のズレを認める。
ズレを踏まえて「次はこうしたい」「これで私は何を得たか」を書く。
効果:期待と結果のズレに注目することで、記憶の意味づけを変えやすくなります。
④ 間欠的に思い出しつつ“良い記憶”を結びつける(間欠的リトリーバル+代替バインディング)
やり方(週間プラン)
翌日/3日後/1週間後…と“間をあけて”嫌な記憶を短時間だけ思い出す(1〜2分)。
その都度、直後にポジティブな体験や肯定的な事実(例:「私はこの件で冷静になれた」)を意識的に思い出して結びつける。
効果:間隔を空けることで再活性化→再固定化のプロセスをコントロールし、新しい(肯定的な)情報が元の記憶と結びつきやすくなります。
⑤ 身体を動かす・呼吸で切り替える(即効性あり)
やり方(3〜15分)
思い出してストレスが高まったら、深呼吸4秒吸って6秒吐くを4セット。
できれば短い散歩やストレッチをして身体感覚を戻す。
効果:身体を動かすことで脳内物質が変わり、固定化プロセスに影響を与えるため“思い出しの回路”を緩める手助けになります。
4|ワークを続けるコツ(現実的な運用)
最初の2週間は毎日どれか1つを続ける(短時間でOK)。
書き出しや間欠リトリーバルは週に1回の習慣にする。
記録はスマホやノートでOK。進み具合が見えると続けやすいです。
変化は徐々に来ます。1回で劇的に消えるとは限りませんが、確実に「ラクになる」方向に向かいます。
5|スピリチュアル面とのつなぎ方(内部リンクの提案)
脳のテクニックだけでなく、気持ちや波動の面からのケアも有効です。
前回の記事で扱った「浄化ワーク」や「たけふりはらえや」の言霊的アプローチと組み合わせると、より全体的に楽になります。詳しくはこちらの記事で解説しています:
6|実践チェックリスト(今日から使える)
実践チェックリスト(今日から使える)
☑ | やること | 所要時間・ポイント |
---|---|---|
□ | 映画化ワークをやってみた | 5〜10分。嫌な出来事を「映画のシーン」として外側から眺める。感情の距離がとれる。 |
□ | ノートに出来事を書き、別の結末を付けた | 10〜20分。紙に時系列で書き出し、もし違う結末だったら?と付け加える。学びも3つ書く。 |
□ | 期待と現実のズレを書き出した | 5分程度。自分の期待と実際の結果を並べ、次に活かす解釈を考える。 |
□ | 間欠的リトリーバルのスケジュールを立てた | 翌日・3日後・1週間後と間を空けて短時間思い出す。その直後にポジティブな記憶を結びつける。 |
□ | 思い出した直後に呼吸&散歩で切り替えた | 3〜15分。4秒吸って6秒吐く呼吸法+軽いストレッチや散歩で気分をリセット。 |
よくある質問(Q&A)
Q. 完全に忘れることはできる?
A. 完全に消えるケースは限られます。むしろ目標は「思い出しても耐えられる」「日常生活に支障をきたさない」状態にすることです。多くの人は上書きや意味づけで十分楽になります。
Q. トラウマに近い強い記憶にはどうすれば?
A. フラッシュバックや日常機能が損なわれるような強い症状がある場合は、まず専門の医療機関やカウンセラーに相談してください(自己ワークだけでは危険な場合があります)。
まとめ(最後に)
嫌な記憶が頭に残ってしまうのは、脳の自然なしくみと感情の反応が合わさった結果です。でも「思い出すとき」は同時に「書き換えるチャンス」。今回紹介した映画化、書き出し+別結末、期待のズレを使うリフレーミング、間欠的リトリーバル+代替記憶の結びつけ、そして身体を使った切り替え――を日常に取り入れてみてください。数週間続けるだけで、記憶の重さが確実に軽くなってきます。
